マウスピース矯正
インビザライン入門

昔からあるワイヤー矯正では、金属製の矯正装置で歯並びを整えます。この金属部分が見えることが、多くの方にとって気になる点でした。

その点、マウスピース矯正では透明なプラスチック製の装置を使用します。装着してもほとんど目立たないため、見た目を気にされる方にもおすすめです。

また、装置を接着剤で歯に取り付けるワイヤー矯正は、治療完了までそのままの状態でいなければならない点もデメリットです。

しかしマウスピース矯正は、必要に応じて患者さま自身で装置を取り外せます。面接、謝恩会、結婚式といった特別なシーンでも簡単に外せるので、見た目を気にせず参加することが可能です。

ワイヤー矯正の場合、一度に動かす歯の距離が長くなるため、痛みを訴える患者さまも多くいらっしゃいます。

対してマウスピース矯正の場合、ひとつのマウスピースでほんの0.25mmしか動かしません。そのため、治療中の痛みが少なく済むのです。

ワイヤー矯正の場合、金属製の装置が歯の表面に接着されるので、唇や頬の内側をこすって話しにくいことがあります。

一方で、インビザラインのマウスピースは薄くて滑らかな作りです。唇や頬への刺激を感じることが少なく、会話の邪魔になることもほとんどありません。

特にコールセンターのスタッフや営業といった、日々の業務で頻繁に話す必要がある職業の方々も、通常通りコミュニケーションができるため心配無用です。

インビザラインでは、診断や治療計画の基盤をAIシステムが作成します。ただし、AIの提案は完全とは言えません。

そのため、歯科医師独自の診断や知見を元に、AIの提案を細かく調整しながら治療計画を作りあげる必要があります。

しかし、経験の浅い歯科医師の中には、AIの提案に頼り過ぎてしまう人も少なくありません。自身の手で調整せずに治療を進めた結果、治療の失敗を招き、口ゴボが酷くなるという事例も報告されています。

歯並びの乱れが重度のケースでは、インビザラインだけでの治療が難しいことがあります。そうした場合、ワイヤー矯正をはじめ他の矯正方法と組み合わせた治療を行うのが一般的です。

ところが、ワイヤー矯正に不慣れな医院の中には、インビザラインのみで強引に治療しようとするところもあります。

もしインビザラインで対応できないケースで治療を無理に進めてしまうと、計画どおりに治療が進まなかったり歯並びの状態を悪化させたり、患者さまに不必要な負担をかけることになりかねません。

そのため歯並びが重度の方は、インビザラインなどマウスピース矯正を専門とする医院ではなく、ワイヤー矯正にも対応できる医院を選択することをおすすめします。